糖尿病

糖尿病の治療_高齢者

糖尿病の人の数は、最近の調査では、60歳以上の6人に1人という驚くべき数になっています。 また、加齢とともに糖尿病性の合併症が多くなり、いくつもの病気に苦しむ人がたくさんいます。 その他に、高齢者の糖尿病の特徴としては、次のようなものが上げられます。 1.インスリンの効果が加齢とともに低下して、血糖値が高くなる。 2.腎機能の低下で尿糖が血糖値の割に少なく、薬剤の蓄積が起こりやすい。 3.動脈硬化症が、加速度的に進行しやすい。 4.自覚症状が出にくく、異常があっても年のせいにして見落としてしまう。 5.家族への遠慮や諦めなどで、治療への意欲が少なくなる。 6.生活習慣を、なかなか変えられない。 糖尿病の基本的な治療は、高齢者でも若い人と変わらず、よりよいコントロールの維持が大切だということです。 ただ、諸機能が低下していますから、自覚症状が出にくく、異常に気がつきにくいということがあります。 従って血液検査だけでなく、眼底検査や動脈硬化などの検査も定期的に行って、糖尿病を管理することが大切です。 「食事療法」がうまくいかない背景には、「食習慣が変えられない」「食品交換表が使いこなせない」「歯や義歯の問題」などがあります。 「運動療法」も、心肺機能や膝関節などに問題を抱えている場合が多くあります。 さらに、「薬物療法」も、「薬の排泄が遅れる」「病気の数に伴って薬の種類が増える」などの問題も出てきます。 また、高齢者の場合、ちょっとしたことで体調を崩し、シックデイになることが多いものです。 しかし、どのような病気でも、大事に至る前に、軽症のうちに治すことがもっとも大切なことです。 高齢であっても、よいコントロール維持に努めていけば、合併症が進展しないだけでなく、精神的にもよいということです。 高齢者だからとあきらめず、まだたくさんある可能性に向かってどんどん挑戦し、納得のいく人生にしていきたいものですね。...

糖尿病の治療_妊娠・出産

糖尿病は慢性の病気ですが、安静と療養が必要な病気ではありません。 血糖がきちんとコントロールされ、合併症に注意すれば、結婚生活はもちろん、出産も大丈夫です。 結婚相手には糖尿病であることを話し、よきパートナーとして糖尿病の正しい理解と知識を持ってもらうようにしましょう。 健やかなよい出産を迎えるためには、妊娠前から出産後まで、血糖値を上手にキープすることが第一条件です。 もし、コントロールが悪く、合併症を放置したまま妊娠すると、「糖尿病性網膜症」が進み、「妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)」などのトラブルが起こる可能性があります。 また、赤ちゃんには奇形の影響や、難産の心配もあります。 ですから、妊娠前に合併症などを主治医のもとでチェックし、血糖値を正常な人と変わらない状態まで治療してから「計画妊娠」を行うと安心かもしれません。 注意するトラブルとしては、次のようなものがあります。 「妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)」は、妊娠によって高血圧や尿タンパクなどが現れた状態です。 子宮内胎児死亡の原因にもなる「胎盤の早期剥離」が起きやすくなります。 今までは「妊娠中毒症」といいましたが、原因は妊娠よる高血圧であることが明かになり、最近この呼び方になりました。 予防法は、低塩分・低カロリー・高タンパクな食事を心がけることで、特に塩分は1日10g以下におさえます。 「羊水過多症」は、妊娠後半から臨月にかけて羊水は徐々に減りますが、羊水が異常に多いままの状態をいいます。 母体の血糖が高いと起きやすく、羊水過多症と診断されたら早産予防のため、安静入院することになります。 「膀胱炎・腟炎・腎盂炎などの感染症」は、妊娠するとかかりやすいのですが、糖尿病の妊婦さんは発症率が高い傾向にあります。 腎盂炎は、腎機能を悪化させますので、特に注意してください。 糖尿病だからといって、合併症もなく、妊娠中血糖を良好にコントロールしていれば、自然分娩も十分可能です。 とはいっても、やはりリスクのある出産となりますので、「糖尿病の専門医」「産後の対応が適切にできる新生児科医」「スタッフ」「設備」が充実した病院で出産してください。 そして、安産のために一番大切なことは、日常の血糖コントロールですから、自己管理を十分に行って、健やかな出産にトライしてください。...

糖尿病の治療_健康維持

厚生労働省が発表した「中高年への調査」では、健康維持に取り組んでいる人は、体の状態が「良くなっている」という回答が多く、糖尿病の人でも「心がけていること」があれば、病状が「良い」と感じる人が増えているということです。 この調査は毎年1回行われており、病気や生活習慣改善への取組みによる健康状態の変化を、分かりやすく示しています。 健康維持のために「心がけていること」があると答えた人の方が、「特にない」という人よりも、状態が良くなる傾向がみられました。 「心がけていること」としては、男性で多いのは「適度な運動」と「食事の量に注意する」で、女性では「食事のバランス」「食事の量に注意する」の割合が多かったです。 高血圧や糖尿病などの慢性疾患のある人でも、「心がけていること」が多ければ、自分の体の状態に対する自己評価が高くなります。 病気の治療開始の時期からの病状の変化をみると、「食事や運動」「体重」「休養」「ストレス」など、心がけていることがある人では、病状の変化が「良くなっている」と答える割合が増えます。 一方で、心がけていることが「特にない」という人はどの病気でも、病状は「変わらない」が増え、「良くなっている」は減っています。 糖尿病の治療では、食事と運動を中心とした生活習慣の改善が基本となります。 「食事は腹七〜八分目」「運動を習慣にする」「休養や睡眠を十分にとる」「飲酒は要注意・喫煙は禁止」などが基本です。 これらは糖尿病の人だけでなく、全ての人に勧められるライフスタイルです。 このように「心がけている」人には、必ず、「健康」または「症状の改善」という恩恵がもたらされるのです。 病気や生活習慣、ストレスなどに負けずに、「心がけ」を続けて、楽しく素敵な人生を歩みましょう。...

糖尿病の予防(ダイエット)

肥満糖尿病予備群または軽度の糖尿病の場合、まず、体重減少が予防・治療の第1歩です。 細胞が持っているインスリンの感受性(働き)を回復させ、正常な血糖値を取り戻すために、まず体重を減らしましょう。 日本人の場合、まず5kg 減らすだけで、インスリンの感受性や血糖コントロールが、目に見えて改善してきます。 減量は、食事療法と運動療法を組み合わせて行う方法が、無理なく出来て効果的です。 食事療法で摂取エネルギーを減らし、運動療法で代謝改善をして、太りにくい体質に改善していくのです。 減量しても改善が見られない、または減量が出来ない場合は、補助的に薬物療法を行うものの、肥満糖尿病の場合は減量で解決することが多いです。 減量は、目標によって、短期長期の2段階方式がオススメです。短期でガッと減量し、長期でジワジワ確実に減量していきます。 ・短期プランは、「1日の摂取カロリー=標準体重×20キロカロリー」で、2〜3ヶ月で3〜5kg減量します。運動は補助的に行います。 ・長期プランは、「1日の摂取カロリー=標準体重×30キロカロリー」で、毎月1kg〜の減量を目標とし、運動量を短期より増やします。 運動量は、1日最低 200〜300キロカロリーの運動を日課にします。 ・最終目標は、BMI 20〜24kg/m2 程度になることが目標ですが、減量はあくまで手段であって、目的は血糖値を正常範囲にキープできることです。 目標を達成後は、体重のキープと血糖値の良好な維持に、努めてください。 また、もし、どうしても減量がうまくいかない場合は、主治医に相談してみてください。 「超低カロリー食」「食事日誌」「教育入院」「肥満糖尿治療薬の処方」などの方法があります。 すべて、主治医の指示に従って行います。 減量を成功させるポイントは、次のようなことです。 1.肥満の今がチャンスだと思いましょう。まだ、軽度のうちなら糖尿病は治せるのです。 2.運動療法の前には、メディカルチェックを受け、関節症や他の合併症がないことや、注意点をチェックして行いましょう。 軽い運動から始めて、筋肉や関節を痛めないようにして、また、筋肉をつける運動も加えていきましょう。 3.停滞期やリバウンドにめげないで、あせらずに毎日の積み重ねで乗り切りましょう。 4.「早食いをしない」「ゆっくり、よく噛んで食べる」「満腹まで食べない」よ...

糖尿病の治療法_食事療法

食事療法はどうして必要なのでしょうか? それは、糖尿病がインスリンの不足や欠乏から起こる病気だからです。 インスリンが不足すると、ブドウ糖などの栄養がエネルギーとして利用できなくなり、各細胞が栄養不足になります。 一方、利用されないブドウ糖はどんどん増え続けて、血液中にあふれてしまいます。 その状態が「高血糖」で、これを放っておくと合併症が起こってきます。 そうならないためには、食べ物の量を制限し、いろんな栄養が不足しないよう、「食事の取り方」を変える必要があるのです。 栄養バランスがとれていて、その人にあったエネルギー量の食事に切り換える、それが食事療法です。 食事療法は少し軽視されがちですが、一番効果があり、かつ、他の治療法の効果も助ける、一番基本的で重要な治療法なのです。 しかし、食事療法といっても、特別な食事ではなく、1日の摂取エネルギー量が制限されるだけです。 あとは「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」の三大栄養素と、ビタミンやミネラルなどを欠かさず、必要量とること。 つまり、それまでの食事の偏りを改めて、健康的でバランスのよい食事にすることが目的なのです。 また、そのことは、一般の人が生活習慣病を予防し、長生きするための健康食としても効果的です。 食事療法で少々難しく感じるのは、食品を選ぶとき、その食品の栄養素やエネルギー量が、わかりにくいということです。 そこをわかりやすく表にしたものが、日本糖尿病学会の「糖尿病食事療法のための食品交換表」です。 それは、普段よく食べる食品から約500種を選び、似たもの同士を分類し、同じ表同士なら交換可能な範囲を示したものです。 これを使えば、食品のエネルギー量と重量が簡単にわかり、また、他の食材に交換できるので、それほど献立に悩むこともありません。 ただ、実践の段階で、慣れるのにちょっとコツがいります。 「必要なエネルギー量」「必要な栄養量」を算出し、「80kcal=1単位(交換表の基準)」として、配分や交換のルールを把握します。 そして、よく食べるものをチェックして、すでにある献立表を食べたい献立にアレンジします。 そうやって、実践していきながら、どんどん慣れていってください。 そして、季節の変化や好みを取り入れて、「食事療法」をバラエティーに富んだ、おいしく楽しいものに変えていってください。...

糖尿病の治療法_食事療法(外食)

糖尿病の食事療法は、その人にあった「エネルギー量」の中で、必要な栄養分をバランスよく摂取することです。 そのため、簡単にエネルギー量をチェックするために、食品交換表をよく理解して、有効活用することが大切です。 外食は自宅で食べるよりも分かりにくいので、外食が多い人は特に、食品交換表を使った食事の取り方を再確認してください。 自分で料理をすれば、料理前と料理後の量の違いがわかり、食材の1単位の量(=目安量)がわかってきます。 料理された物を見たときに、「表のどれに該当するか、どれくらい使われているか、何Kcal〈キロカロリー〉 ぐらいか」が、わかるようになればベストです。 そこで、外食にあてる「エネルギー量」と「単位配分」を確認します。 表に合わせて、3食を均等に分けられるのが理想ですが、外食ではどうしても配分に偏りが出ます。 それで、とくに野菜類などの不足分は、家庭の食事で調整するようにしましょう。 他にも外食を楽しむ知恵が、いろいろあります。 ・丼物より定食のほうが、栄養がバランスがよいでしょう。 ・目安量がつかみやすいので、食材の形が生かされたナチュラルなメニューがオススメです。 ・天ぷらやフライなどの揚げ物料理は、高カロリーです。衣を外して食べたほうがよいでしょう。 ・ポケット版の食品交換表や外食ガイドブックなどを携帯するのは、とてもよいことです。 ・目安量の確認に、ハンディータイプの秤を活用しましょう。 ・残業するときは、夕方に軽食をとり、その分は夕食で調節しましょう。 ・宴会はなるべく避けたほうがよいですが、参加する日は昼食を少なめにしておきましょう。 ・原則、禁酒です。主治医に相談しましょう。 ・自分で積極的に料理をして、料理好きになりましょう。...

糖尿病の治療_脳梗塞・心筋梗塞

脳梗塞や心筋梗塞は突然に起こり、命が奪われることもある恐ろしい病気で、たとえ助かっても後遺症が残ったりすることもあります。 日本の脳梗塞・心筋梗塞の発症率も、最近、増加の一途を辿っています。 そして、糖尿病の人はそうでない人の2〜3倍の可能性があり、脳梗塞になった人の約半数、心筋梗塞になった人の約3分の1に糖尿病がみられます。 なぜ、糖尿病の人がなりやすいかというと、どちらも動脈硬化のために血流が止まって起こる病気であり、糖尿病はその動脈硬化の進行を早める恐れがあるからです。 動脈硬化が進むと血管中の血流が狭まって、血栓(=血液の固まり)ができやすくなります。 その血栓によって血流がせき止められると、その先の細胞は酸素や栄養不足で間もなく死に至る…それが「梗塞」です。 脳や心臓の細胞は再生せず、梗塞で死んでしまった細胞の働きは復活しないので、そのために後遺症が残ってしまいます。 では、なぜ糖尿病になると動脈硬化が起きやすいのでしょう? 動脈硬化が進む大きな原因は、動脈の内膜の部分にコレステロールが大量に取り込まれてしまうからです。 血液中では、水に溶ける蛋白質が(水に溶けない)コレステロールを包んで「リポ蛋白」となっています。 血糖値が高い時、このリポ蛋白が酸化されたり、ブドウ糖が結合したりして変化します。 そのリポ蛋白が血管の内膜に蓄積されプラークという塊を作り、そのために、糖尿病があるとコレステロールがそれほど高くなくても、動脈硬化が進行するのです。 脳梗塞・心筋梗塞の発作の時には次のような症状が現れますので、このときには迷わず早急に救急車を呼ぶことが大事です。 「脳梗塞」は、「手足の麻痺」「舌のもつれ」「めまい」「意識障害」などで、時間とともに症状が深刻になります。 「心筋梗塞」は、「激しい胸痛」「呼吸がしにくい」「顔面蒼白」「冷や汗」「手足が冷たくなる」「ニトログリセリンが効かない」 などです。 この場合も、手遅れにならないように、注意が必要です。 脳梗塞や心筋梗塞の発作が起こる前に、脳や心臓の血流の悪化を示す症状(=発作のサイン)が現れることがありますので、その場合は早めに詳しい検査を受けてください。 脳梗塞や心筋梗塞が起こらないためには、動脈硬化の進行を防ぐことがもっとも大切です。 動脈硬化は老化とともに誰でも進行しますが、その進行を早める要因がわかって...

糖尿病の治療法_薬物療法(インスリン療法)

インスリン療法は、糖尿病のタイプや症状によって、内容が違ってきます。 すい臓からのインスリンの分泌は、24時間一定量が出る「基礎分泌」と、食事などの血糖値上昇のタイミングで出る「追加分泌」があります。 2型糖尿病の場合、インスリン分泌力はわりと保たれていますが、量が少なかったり、タイミングが悪かったりすることで高血糖になります。 2型糖尿病のインスリン療法は、この保たれている分泌力をうまく活用して、よりよい血糖コントロールを保持することが目的です。 ですから、追加分泌を「超速攻型」や「速攻型」で補うと、血糖値が改善します。 1型糖尿病の場合は、両方の分泌分をインスリン注射で補う必要があります。 インスリン製剤は、皮下に注射した後の「効果開始時間」「ピーク」「持続時間」の違いによって、「超速効型」「速効型」「中間型」「持続型」の4種があります。 また、混合製剤もありますので、それぞれの特徴を生かして上手に使いわけます。 最近は、簡単なペン型やキット製剤が主流で、全くといえるほど痛みはありません。 「超速効型」は、注射後すぐに作用し始めるので、食事の直前に注射でき、従来の「速攻型」よりも各段に便利になりました。 また、新しいタイプの「持続型(持効型溶解)」は、ほぼ24時間安定した効果が見られるので、低血糖の心配が少なくなりました。 それで、この注射と、食後の高血糖に対応する経口薬との併用治療も、検討され始めています。 インスリン療法は、病状が進んだときの治療法であると誤解されがちですが、血糖のコントロールのために行うもので、症状が改善されればインスリン療法が不要になる場合も多いです。 また、インスリン療法で血糖値を安定させておくと、すい臓を休ませることになり、インスリン分泌力が回復することもよくあるのです。...

糖尿病の治療_感染症

糖尿病の人は、「肺炎」「膀胱炎」「腎盂炎〈じんうえん〉」「皮膚炎」「歯肉炎」「風邪」などの感染症にかかりやすく悪化しやすい傾向があります。 また、回復にも時間がかかり、血糖値が普段よりも増してコントロールが悪化し、糖尿病そのものにも影響が出てしまいます。 糖尿病の人が感染症にかかりやすく悪化しやすいのは、感染防御機構がいろんな理由で壊れてしまうからです。 1.好中球(白血球の成分)の貪食(細菌やウィルスを食い殺す)機能の低下。 2.免疫反応の低下 3.血流の悪化 4.神経障害によって感染・悪化の一因に 5.血糖値がさらに上昇する また、あらゆる感染症にかかりやすくなっていますが、とくに次のような感染症に注意しましょう。 「尿路感染症」「上気道炎(かぜ)・肺炎、結核」「胆のう炎」「皮膚感染症・足病変」「歯肉炎」など。 糖尿病の人が、感染症など他の病気にかかったときは、「シックデイ」といい、特別な対処が必要になります。 感染症は、体内に侵入した細菌類が増殖して、いろいろな症状を起こす病気です。 ですから、その治療は、病原菌を殺菌することが最初の目的となりますので、安静に温かくして、体の持つ本来の抵抗力を高めます。 しかし、これで対応できるのは軽い感染症のときで、抵抗力が低下している時は、抗生物質を使います。 抗生物質はタイプが何種類もあり、目標となる病原菌にあわせて使い分けます。 感染症予防の基本は、なるべく健康的な生活を維持し、普段から抵抗力をつけておくことです。...

糖尿病の治療法_薬物療法(経口剤)

薬物療法には、「インスリン療法」と「経口剤療法」の二つがあり、大半は「経口剤(経口血糖降下剤)」で治療しています。 注射に比べて抵抗感がないこと、血糖値があまり高くなければ経口剤だけでも効果があること、内服だけという簡単さなどの理由からです。 主な経口剤は、「スルフォニル尿素剤(SU剤)」「ビグアナイド剤(BG剤)」「α- グルコシダーゼ阻害剤」「速効型インスリン分泌促進剤」「インスリン抵抗性改善剤」の5タイプです。 経口剤は、食事療法と運動療法を守っているのに、血糖コントロールが改善しない、2型糖尿病の人に有効です。 まず、少量から服用を始め、血糖値の動きとともに量を加減し、血糖コントロールが安定しても、定期検査で効果を確かめていきます。 どんなに副作用が少なくても、薬は体にとっては異物ですから、できれば飲まないほうがよいわけです。 ですから、食事・運動療法をきちんと継続、実践していくことで、薬の量が減らせ、全く不要になってくる可能性もあります。 また、SU剤を継続していると、次第に薬の効果がうすれてくる「二次無効」という状態になることがあります。 その場合は、食事・運動療法を再確認して厳格に行い、その結果、他の経口剤を併用したり、インスリン療法へ移行したりします。 それから、薬の作用が強すぎたり、食事時間が遅れたり、運動量が多かったりしたときに、「低血糖」が起こりがちです。 主な症状は、ふるえ・動悸・発汗・脱力感・眠気・頭痛・目のかすみ、などです。 症状が出たら、すぐにブドウ糖(または砂糖やジュース)を口にする必要がありますので、常にブドウ糖や砂糖などを携帯してください。 「α-グルコシダーゼ阻害剤」を服用している時の低血糖は、でんぷん・糖分の分解吸収を遅らせる薬なので、ブドウ糖やジュース類を口にして、すぐに血糖値を上げてください。 アルコールを飲むと肝臓の働きが鈍り、薬が体内に蓄積し、低血糖を起こしやすくなるので、経口剤を服用している時は、絶対に禁酒です。 特にBG剤は、副作用が強く出る恐れがあるので、要注意です。 低血糖が起き、副作用と思われる症状が出たときには、必ず主治医に報告してください。...

糖尿病の治療_骨・歯について

糖尿病の人は骨折しやすく、その頻度はそうでない人の2〜4倍といわれています。 それには、インスリンの不足にも加え、いろいろな原因が関係しているといわれています。 骨の細胞には、3種類の細胞があります。 骨が新しく作られる「骨芽(コツガ)細胞」、骨自体を維持する「骨(コツ)細胞」、骨を壊す「破骨(ハコツ)細胞」です。 骨が古くなると、破骨細胞が破壊(吸収)し、骨の成分であるカルシウムやコラーゲンを血液中に溶かし出します。 すると骨芽細胞が集まってきて、コラーゲンを分泌し、それにカルシウムを主成分とする骨塩(コツエン)が沈着して新しい骨が作られます。 そして、骨の強度が保たれるのですが、この流れを「骨代謝回転」といいます。 骨は姿勢を維持し、身体の内部を守っていますが、同時にカルシウムを蓄える役目があります。 体内のカルシウムの 99%は骨にあって、残りの1%が血液や筋肉などにあるに過ぎません。 しかし、全身細胞がちゃんと働くためにはカルシウムは不可欠で、血液中には常に一定量が保たれていることが必要です。 カルシウムの摂取不足などで血液中のカルシウム濃度が低下すると、破骨細胞は、それを補うために骨を破壊して血液中へカルシウムを溶かします。 それによって血液中のカルシウム濃度は保持されますが、破壊された骨は、再形成が十分に行われません。 「骨粗しょう症」は、老化やカルシウム不足などから骨代謝のバランスが崩れ、骨形成よりも骨吸収がどんどん進み、骨の内部がスカスカになる病気です。 老化によって誰でも骨はもろくなりますが、糖尿病の人は骨量が減少しやすいので、「骨粗しょう症」にもなりやすいのです。 骨芽細胞にはインスリン受容体があり、骨芽細胞を増殖させる作用がありますが、インスリンが足りないと骨芽細胞は増えないので、骨形成が低下します。 実際に糖尿病の人は、骨代謝マーカーのオステオカルシンの低下が確認され、骨量減少が起きていることがわかります。 また、高血糖になると尿が多くなり、カルシウム・マグネシウムが排泄されやすくなり、骨形成が低下します。 さらに、活性型ビタミンDが足りずに、カルシウムが腸から吸収されにくいという現象もあります。 高血糖状態で蛋白質の糖化が起き、それによって正常なコラーゲンが減って、骨がもろくなるということもあります。 ですから、検査で骨量の減少を指摘された...

糖尿病の治療_神経障害

神経障害は、「腎症」「網膜症」と並んで、糖尿病の三大合併症のひとつです。 症状は、「手足のしびれ・痛み」「感覚の鈍化・麻痺」「下痢・便秘」「立ちくらみ」「味覚障害」「発汗異常」「尿障害」などです。 腎症や網膜症が自覚症状のないまま潜伏するのに比べ、神経障害は自覚症状がごく初期段階から現れます。 神経は、脳からの命令を伝達し、脳へ情報を送る役目を持っています。 脳、脊髄からなる「中枢神経」と、そこから枝分かれして体の末端まで広がる「末梢神経」があります。 末梢神経には、「感覚神経」「運動神経」「自律神経」があり、それぞれ、冷・熱・痛みなどを感じとる、手足を動かす、話す、内臓や体温などを動かし調節する、などの役割があります。 神経障害があると、これらのコントロールが上手くできなくなり、いろんな部分に不調や不具合が起こってきます。 糖尿病による余分なブドウ糖のために細胞のメカニズムが狂い、神経細胞の中にソルビトールという物質が蓄積されます。 それを、「ポリオール代謝異常」といい、やがて神経が侵され始めます。 さらに、高血糖によって細い血管の血流が悪くなり、神経細胞が必要としている酸素や栄養が行きわたらないことが原因にもなります。 神経障害が悪化すると、「神経麻痺・壊疽」「低血糖・高血糖を繰り返す」「無痛性心筋梗塞」「突然死」「うつ病」などに陥る危険性があります。 神経障害にならないためには予防が一番で、そのためには定期検査を受けることが大切です。 また、症状があらわれた場合は、それが神経障害によるものか、別の病気によるものかを判断するため、詳しい検査を受けることになります。 治療の基本は、神経細胞の中に蓄積したソルビトールを取り除くこと、血流れを改善して神経細胞へ酸素や栄養が届くようにすることの2つです。 そのためには、血糖コントロールを改善することが第一となり、上手くいけば重症でない限り、神経障害は改善します。 このように、神経障害はいろいろな要因が複雑に関わってくる病気ですので、糖尿病との関連をよく理解し、日頃の血糖コントロールを維持するようにすることが大事です。...

糖尿病の治療_網膜症

糖尿病網膜症は、糖尿病になって血糖コントロールを十分しないままでいると、8年〜10年のうちにジワジワと発症します。 初期には自覚症状が少ないので、精密眼底検査を習慣づけましょう。 早期発見であればあるほど、治療の成功率が高いものです。 糖尿病の目の病気は、「網膜症」のほか、「白内障」「血管新生緑内障」などがあります。 網膜症とは、カメラのフィルムの役目をする網膜が損傷した結果、起こります。 網膜は、光や色を感じて脳に伝達する役割がありますが、そこには細かい血管が無数に広がっています。 糖尿病では、血液の粘性が強いため、この血管をつまらせたり、血管壁に負担をかけたり、細小血管症を起こします。 そのため、網膜の酸素や栄養が不足して、眼底出血や硝子体出血などの網膜症が起こります。 網膜症は進行にしたがって、「単純網膜症」「前増殖網膜症」「増殖網膜症」の3段階に分けられます。 糖尿病による「白内障」は、カメラのレンズである水晶体に糖分が蓄積され、白く濁ってしまうものです。 多くは水晶体を取り出して、プラスチック製の眼内レンズを入れると良くなりますが、重症の場合は、この手術さえできないこともあります。 「血管新生緑内障」は、カメラの絞りにあたる「虹彩」の周りには目の潤滑のため水が流れる構造になっていますが、ここに新生血管ができます。 糖尿病網膜症が重症になると、この新生血管のために隅角がつまり、そのために目の中の眼圧が高くなります。 そして、視神経の圧迫で視力が低下し、ついには失明してしまいます。 「単純網膜症」の段階ならば、血糖コントロールを上手に保てば、自然に治っていきます。 しかし、「前増殖網膜症」の段階では「レーザー光凝固術」、「増殖網膜症」では「硝子体手術」といった外科的手術が必要になります。 現在では、レーザー光凝固術など治療が進歩しましたが、それでも予防の鍵になるのは「血糖コントロール」です。 良好な血糖コントロールを目指して、食事療法や運動療法をねばり強く行った人は、網膜症が発病しにくく、進行もしにくいことがわかっています。 糖尿病網膜症にならないように、日頃から気をつけることが、最も重要なことです。...

糖尿病の治療_糖尿病性腎症

腎臓は体内の老化物をろ過し、尿として排泄する重要な機能をもっています。 糸球体という細小血管塊が集まった組織で、それが左右の腎臓のなかに100万個ずつもあります。 血液が運んできた体内の老化物を、この糸球体の1つずつでろ過するのです。 糖尿病性腎症は、この細小血管が狭くなり、老廃物を充分にろ過できないために起こります。 そして、高血糖・肥満・高タンパク・高食塩・ストレスなどの悪い因子が加わると、進行に拍車がかかると言われています。 早期の腎症を発見するためには、微量アルブミン検査が有効で、これは微量のタンパク(アルブミン)を感度よい方法で尿から検出する新しい検査方法です。 糖尿病の人は、血糖コントロールが良好の人でも、予防の意味で年1回は、微量アルブミン尿の検査を受けるようにしましょう 腎症は、5つの段階があり、それぞれ症状と治療のポイントが違います。 「正常期」は、臨床的症状なしで、治療の目的=予防です。 「微量アルブミン尿期(早期腎症) 」は、微量アルブミン尿検査が陽性で、治療の目的=進行を抑制します。 この時期から血圧の上昇が見られるので、厳格な血糖コントロールと血圧の管理が行われます。 「顕性腎症期」は、タンパク尿が陽性で、治療の目的=進行を遅らせます。 腎機能が悪くなり、むくみが出てくるので、血糖と血圧の管理に加え、腎症の治療に重点を置いた食事療法の切り替えが行われます。 「腎不全期」は、「尿毒症」や「貧血」など、いろんな腎症の症状が出てくるので、治療の目的=症状を抑えます。 それまでの治療・管理に加えて、水分制限と経口剤(SU剤)からインスリン療法への切り替えを行います。 「透析期」は、透析を開始します。 透析は90%が「血液透析」で、その他に「腹膜透析(CAPD)」というものがあります。 血液透析は週に3回、病院で4〜5時間をかけて行われます。 末期腎不全では、透析療法のほかに「腎移植」がありますが、日本では糖尿病性腎症による腎移植はあまり行われていません。 糖尿病による腎臓障害を予防するには、血糖コントロールをよくし、定期的に尿検査を受け、腎臓にやさしい生活をすることが重要です。...

糖尿病の治療_シックデイ・ルール

糖尿病の人が何かの病気になった時、それが風邪や腹痛・下痢など、すぐ治りそうな簡単な病気でも油断してはいけません。 人間の体は病気になると、血糖が上昇するので、いつもの治療だけではコントロールが悪化することがあるからです。 そのため、糖尿病と新しい病気の両方を治療する必要があります。 その対応を誤ると病状が急変し、場合によっては昏睡(ケトアシドーシス昏睡・非ケトン性高浸透圧性昏睡)で死亡するケースもあります。 ですから、そうならないよう、早い段階で病気をケアし、治してしまうことが何よりも重要なのです。 (「ケトアシドーシス昏睡」とは、急激な高血糖とケトン体の増加で、血液の酸性化が進んで起こる昏睡のこと。 「非ケトン性高浸透圧性昏睡」とは、急激な脱水症状で高血糖となって起こる昏睡で、高齢者がなりやすい。) 糖尿病の人が、他の病気になった状態を「シックデイ」といいます。 私たちの体にとって病気は大きなストレスであり、そのような時にはいろいろなホルモンを出して病気を治癒しようとします。 ストレスで増加するいろいろなホルモンや、食事がとれない、発熱や下痢での脱水症状など、いくつもの要因が血糖上昇の元となります。 そうすると、糖尿病人は、代謝機能が簡単に破綻して、病気が重症化しやすいので、特に注意が必要なのです。 「シックデイ」の基本的な対応としては、次のとおりです。 1.温かく、安静にしましょう。 2.主治医に連絡して、早めに対応しましょう。 特に要注意なのは、「食事がとれない」「下痢・おう吐」「強い腹痛」「高熱」「高血糖が続く」など。 3.必要な検査をして、現状をきちんとチェックしましょう。 「血糖値」「尿ケトン体」「体温」「食事量」「自覚症状」 など。 4.食事や水分、電解質(塩分やカリウムなど)をできるだけとりましょう。 5.女性は、月経周期で血糖値が変化するので、変化のパターンを把握して適切に対処しましょう。 6.他の病院にかかる時は、糖尿病の治療内容のメモ・主治医の連絡先・糖尿病健康手帳を持参し、現状をきちんと話しましょう。 7.出張や旅先で病気になった時のために、「健康保険証」「糖尿病健康手帳」「常備薬」「ブドウ糖」などは忘れずに持参しましょう。...

糖尿病の治療_高血圧・動脈硬化

高血圧の患者数は国内で 3,000〜4,000万人といわれ、同様に、糖尿病も予備群を含め約2200万人に上る、まさに国民的病気です。 そして、糖尿病の人は血圧が高くなりやすく、4〜6割が高血圧を合わせ持っています。 日本人の死因の上位である脳卒中や心筋梗塞などの病気も、糖尿病や高血圧の複合的な影響で動脈硬化が進行し、発症するケースが多く見られます。 糖尿病の人は、軽い高血圧でも、積極的に治療することが大切です。 血圧とは、血液が流れる時に血管の内側にかかる圧力のことで、血圧が上がる理由は2つあります。 1つは血管が硬くなり広がりにくくなること、もう1つは血液の量が過多になることです。 高血圧は、収縮期血圧(心臓が収縮したときの血圧。最高血圧)が140mmHg以上、拡張期血圧(心臓が拡張したときの血圧。最低血圧)が90mmHg以上ならば、高血圧と診断されます。 9割以上は、原因を特定できない「本態性高血圧症」で、食習慣・肥満・ホルモン異常・遺伝など、いろいろな要因が考えられます。 それとは別に、他の病気のために高血圧になる「二次性高血圧症」もあります。 高血圧を放置すると、脳卒中・心臓病・網膜症・腎疾患などの合併症が起きてきます。 これは、高血圧状態が血管の壁を傷付け、動脈硬化を進行させることと深い関係があります。 高血圧は自覚症状に乏しいので、放置してしまいがちですが、定期検査と適切な治療を受けないと、恐ろしい合併症が進行してしまいます。 糖尿病で高血圧が問題になる理由 1.糖尿病で高血圧になりやすい…高血糖で血液量が増える、肥満の人が多い、インスリン抵抗性のため血管が広がりにくい、腎症で血圧があがる、など。 2.動脈硬化がより起こりやすい…糖尿病と高血圧が、心臓病や脳血管疾患に及ぼす危険性は、健康な人が1とすると、糖尿病+高血圧で6〜7倍になります。 3.糖尿病の合併症の進行が加速される… 高血圧は腎症を進行させ、腎症は血圧を上昇させます。 ですから、糖尿病の人は、正常範囲上限付近の血圧でも治療の対象となり、130/85mmHg未満に管理することが望まれます。 さらに、糖尿病性腎症がある人(尿蛋白1g/日以上)では、125/75mmHg未満にすることが勧められます。 糖尿病も高血圧もコントロールする病気なので、治療は、日常の生活習慣の改善が重要になってきます。...

3大合併症

「3大合併症」とは、「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」のことをいいます。 糖尿病に特に多い合併症で、血糖コントロールや治療をしないままでいると、糖尿病を発症してから10〜15年で発症する可能性があります。 「糖尿病神経障害」は、合併症の中でも、最も早く出てくる症状です。 末梢神経障害の手足の症状の出方は様々で、手足のしびれ、ケガやヤケドの痛みを感じにくいことなどがあります。 その他、筋肉の萎縮・筋力の低下・立ちくらみ・発汗異常・胃腸の不調・インポテンツなど、いろいろな自律神経障害の症状も出てきます。 「糖尿病網膜症」とは、眼底の網膜の血管の血流が悪くなって、虚血・血管の増殖・出血・網膜はく離などが起こり、視力が弱まることをいいます。 網膜症は少しずつ進行しますが、気をつけなければいけないのは、進行しても視力の低下などの自覚症状がないということです。 糖尿病自体も自覚症状の少ない病気なので、放置したままにしておくと、ある日突然、目が見えなくなった、目の前が真っ暗になったと病院に駆け込むことになります。 そして、「硝子体出血」や「網膜剥離」と診断され、さらに、失明してしまう場合や、白内障になる人も多いといわれています。 「糖尿病腎症」とは、尿を作る腎臓の「糸球体」という部分の毛細血管の血流が悪くなり、だんだんに尿が作れなってしまいます。 そうすると、機械で血液の不要成分をろ過する「人工透析」を行って、尿を作るようにします。 週に2〜3回、病院などで透析を受けるため、日常生活への負担や影響が大きくなります。 現在、人工透析をすることになる原因の第1位が、この「糖尿病腎症」だということです。...

糖尿病の検査

それでは、糖尿病の検査とは、どのようなものでしょうか? 簡単にいえば、次のような検査をします。 1.普段の血糖値を測ります。 2.空腹時の血糖値を測ります。 3.ブドウ糖(75g)を飲んで、2時間後の血糖値を測ります。 この3つのうちのどれかに異常値が出たら、別の日にもう一度検査をします。 その時に、また異常値が出たら、ほぼ糖尿病という診断になります。 「糖尿病型」と判定される結果 1.普段の血糖値が、200mg/dL 以上。 2.空腹時の血糖値が、126mg/dL 以上。 3.75g ブドウ糖負荷試験で、2時間後の値が、200mg/dL 以上。 また、検査で「糖尿病の疑い」が強く、次の症状が見られるときは、1回だけの検査でも糖尿病と診断されます。 1.糖尿病の典型的症状(口が渇く・水分を多くとる・多尿・体重が減少)がある。 2.グリコヘモグロビン(HbA1c)が、6.5%以上。 3.糖尿病網膜症が見られる。 4.現在「糖尿病の疑い」が強く、過去に高血糖を示したことがある。 グリコヘモグロビンとは、赤血球の中のヘモグロビン(血色素)にブドウ糖が結合したものです。 結合すると離れないので、1〜2ヶ月前の血糖状態が分かります。 基準値は4.3〜5.8%で、6.5%以上だと糖尿病と診断されます。 糖尿病だと診断された場合は、血糖値や合併症の程度、肥満の状態などを総合的に見て、治療方法が決められます。 血糖値があまり高くなくて、合併症もない場合は、薬は使わず、定期検査をして血糖値の上下を調べるだけになります。 血糖値のコントロールができるのであれば、日常生活は全く問題ありません。 もちろん、肥満・高脂血症などがあれば、それらを改善するような治療が必要になってきます。 糖尿病の検査は職場や地域の健康診断に含まれていますので、毎年必ず受けるようにして、年ごとの経過がわかるようにしておくとよいでしょう。...

高血糖と診断されたら

高血糖といわれたら、どうすればいいでしょう。 糖尿病は初めが大事なので、検査で高血糖といわれたら、まず、かかりつけのお医者さんに相談しましょう。 そして、定期的に血糖値の検査を受け、食事や運動など、日常生活についての指導を受けます。 ところが、血糖値が安定してくると、治ったかと安心して、検査や治療を受けなくなる人が多いのが問題です。 そのうち、いつの間にか血糖が上昇して、合併症を併発してしまいがちです。 血糖値が下がったからといって、もう治ったのではなく、生活習慣が乱れるとまたすぐに上がってしまいます。 一度糖尿病と診断されたら、きちんと定期的に検査を受けて、血糖のコントロールの状態を確かめることが大切です。 合併症を併発してしまうと、さらにさまざまな症状がでてきますので、日常生活や治療にいろんな支障が起こってきます。 必ずお医者さんの指示に従って、血糖のコントロールを続けていくようにしましょう。 最近は、自分で血糖値を測れる「血糖値測定器」があり、いろんな種類が販売されています。 機能に多少の違いはありますが、指や腕・太ももを針で刺して採血し、チップ(センサー)に付けて本体で測定するというものです。 メーカーによって価格や使い方、糖尿病のタイプや生活環境によっても、測定器を選ぶポイントがずいぶん違ってきます。 また、針やチップは消耗品ですし、長期に渡っての使用になるので、コストもかかります。 ですから、まずは、いろいろ調べてみてから購入することをお勧めします。 糖尿病のタイプによっては、一部、保険適用も可能ですので、詳しくはお医者さんに相談してみてください。...

糖尿病の予防(肥満)

現代人は、食べ過ぎや運動不足で肥満になる傾向があります。 肥満になると、軽い糖尿病状態になる人がいますが、早く解消すれば、また正常に戻る事ができます。 しかし、そのまま放置して、糖尿病になってしまう人が増えつつあります。 このように肥満が原因の糖尿病を「肥満糖尿病」といい、患者数は2型糖尿病の6割以上になります。 肥満はどうしていけないのでしょうか? 肥満は、私たちの体にとって異常事態であり、その度合いが高いほど、糖尿病や動脈硬化症などの生活習慣病にかかる率が増えます。 では、肥満とはどういう状態なのでしょうか? 肥満というのは単に体重が増えたというだけではなく、エネルギーの摂取と消費のバランスが崩れ、必要以上に体脂肪が増えた状態です。 しかし、体脂肪だけを正確に測定するのは難しいので、簡単に計算できるBMI(ボディーマス指数)で判定する方法が一般的になりました。 BMIは、「体重 (kg) ÷身長 (m) ÷身長 (m)」で、計算します。 この答えが、「18.5未満=やせている」「18.5〜25.0=普通」「25.0以上=肥満」となります。 身長から標準体重を出すには、「身長 (m) ×身長 (m) ×22(理想体重)=標準体重」となります。 25以上を肥満とするのは、25を超えると多くのいろいろな生活習慣病が起きやすくなり、27で糖尿病になる危険が2倍になるということです。 では、なぜ肥満が糖尿病を起こすのでしょうか? 肥満になると、糖代謝を支えるすい臓などの各組織が、それぞれフル回転し、肥満という事態に対応しようとします。 しかし、その状態が長引くとオーバーヒート状態になり、次々と異常が起こり、糖代謝のサイクルが狂ってきます。 いくつかのそういう事態が連鎖して、糖尿病や他の病気が発症するのです。...

糖尿病とは?

「メタボリック」や「生活習慣病」という言葉は、最近では、子どもでも知っているくらい定着してきました。 でも、その内容については、よくわかっていないというのが現状です。 「メタボリック・シンドローム(症候群)」とは、内臓脂肪型肥満によって、いろんな病気にかかりやすくなっている状態をいいます。 「生活習慣病」とは、「糖尿病」「脳卒中」「心臓病」「高脂血症」「高血圧」「肥満」などの総称です。 これらの病気は、個別の原因で発症するのではなく、肥満、とくに内蔵脂肪型肥満が根本原因だと考えられています。 また、それは、毎日の良くない生活習慣の積み重ねから、そうなってしまうことから、「生活習慣病」と名付けられました。 日本人の死因の3分の2近くが、この生活習慣病で、年々その割合が増加傾向にあるということですから、無関心ではいられません。 では、その中で、特に最近、増加傾向にあるという「糖尿病」とは、どんな病気なのでしょうか? 一言で言うなら、「血糖値」が高くなる病気です。 私たちは、食べ物を消化吸収することで、活動エネルギーを作り出しています。 食べ物中の栄養素にはいろんな種類がありますが、その中の「炭水化物」「脂質」「たんぱく質」を『三大栄養素』といいます。 その中で、エネルギー源の中心となるのが「炭水化物」です。 炭水化物は、体内で消化・吸収されると、「ブドウ糖」となって肝臓へ送られます。 そして、脳や筋肉で利用され、残りのブドウ糖は肝臓内にグリコーゲンとして蓄えられます(余った分は脂肪になります)。 体が活動して血液中のブドウ糖を消費すると、グリコーゲンが分解され、再びブドウ糖となって血液中に放出されます。 このようにして、活動エネルギーが常に維持され、血糖値は一定の範囲内におさまっています。 「インスリン」は、すい臓で作られるホルモンで、体内の細胞が血液からブドウ糖を吸収する手助けをします。 つまり、インスリンはブドウ糖のメッセンジャーというわけですね。 ですから、そのインスリンが不足したり働きが悪くなったりして、ブドウ糖がうまく細胞に運ばれなくなると、筋肉や内臓がエネルギーを吸収できなくなります。 そして、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなり、その状態が継続する病気が「糖尿病」です。...

糖尿病の現状

では、糖尿病の人はどれくらいいるのでしょうか? 2007年の調査データ(厚生労働省発表)では、日本国内の糖尿病の患者さんは約890万人でした。 そして、糖尿病予備群の人が約1320万人、合計すると全国に約2210万人いると推定されています。 これは1997年(10年前)に比べて、約1.3倍も増えたことになり、厚生労働省も増加ペースの加速に対して危機感を表明しています。 しかし、糖尿病で治療を受けている方は、50%程度しかいないのが現状です。 どうしてかというと、糖尿病は、初めのうちは痛みなどの自覚症状がありません。 それで、検査で「血糖値が高い」「治療が必要」と言われても、そのまま治療を受けない人が多いのです。 そして、糖尿病によって亡くなった人の数は、1年間で約1万9600人もいました。(2006年データ) これには、糖尿病によって発症の度合いが高くなる心臓の病気や、脳血管系の病気などの死亡者数は含まれていません。 それと、糖尿病を治療せずに放っておくと、合併症が出てしまうので要注意です。 合併症とは、その病気が元になって起こる別の病気や症状のことで、糖尿病には次のような慢性合併症があります。 ・糖尿病神経障害(手足のしびれや壊疽など) ・糖尿病性網膜症 ・糖尿病腎症 ・脳梗塞、脳卒中、心筋梗塞 ・下肢閉塞性動脈硬化症 ・皮膚病、感染症 糖尿病特有の合併症は、「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」で、これらを「3大合併症」と呼びます。 この他、高血圧・高脂血症・腎臓病の人が糖尿病になると、それらの症状を悪化させてしまうということです。...

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